朝日新聞 2008年4月31日社説より 「チベット問題 私たちはこう考える」

26 :名無しさん@八周年:2008/04/20(日) 14:21:46 id:WJSQxQzt0
朝日新聞 2008年4月31日社説より

チベット問題 私たちはこう考える

中国で発生したチベットの暴動以来、主に先進国で、中国に対する批判が高まっている。
そんな声を受けて、前のめりな人々の一部が「なぜ朝日新聞は中国の人権状況を批判しないのか」
といった疑問を投げ掛けてきている。

確かに、中国で起きているとされるチベットの状況は痛ましい限りであり、中国政府には
国民の人権を守る必要があると考えられる。だが、ちょっと待って欲しい。果たして、
その批判は本当に、中国の人権状況を心配してのものだろうか。中国に対する漠然とした
反感を、中国に対して叩き付けるためだけの口実にはなっていないだろうか。

チベットの悲劇は確かに悲しい。しかし、今日本で繰り広げられている人権侵害から
目を背けてはなるまい。インターネットを通じて、被差別部落在日コリアンの人々、
あるいは中国人に対する謂われなき差別が蠢いている。かつてマザーテレサは初来日の際、
「日本人はインドのことよりも、日本のなかで貧しい人々への配慮を優先して考えるべきです」
という言葉を残している。日本の中での人権侵害を見逃したままにはおけないのではないか。

また、チベットで行われている人権侵害については中国国内の出来事であり、内政干渉の恐れもある。
さらに、日本と中国とは過去において戦争を繰り広げた不幸な歴史があり、南京大虐殺
731事件といった旧日本軍による重大な人権侵害の歴史がありながらも、日本は中国に対する
明確な謝罪を行っておらず、中国国内には日本に対する不信感がくすぶっている。
そんな中、日本が中国のチベットにおける人権侵害を責め立てたところで、中国はかたくなに
国際社会の警告から心を閉ざしてしまうだけであろう。

私たち朝日新聞は、中国に対して人権問題に対する憂慮を申し立てる事は大切な事だと考える。
だが、その前に、日本こそが真にあらゆる人々の人権を守る国とならなければ、中国を非難する
資格はないのではなかろうか。だからこそ、私たち朝日新聞は、チベットのことよりも
日本国内の人権侵害にこそ声を上げていかなければならないと考える。

 ヒント:日付。

本当に書かれそうな記事だなぁ。